アンチエイジング医学

人間にとっては避けられないと考えられていた“老化現象”のかなりの部分が病的老化現象と認識されるようになりました。抗加齢医学の目標は病的老化現象の進行を予防・治療することにあります。

元気で長寿を享受することを目指す理論的・実践的科学であり、ただ単に寿命を延長することを目的とするのではなく『質』に重きをおいている医学といえます。

加齢現象に加わる病的因子は老化の加速を引き起こすしますが、その因子そのものが重篤な病気として顕在化したものでないので、病気の治療を念頭においた医療のような保険適応とはなりません(自費診療)。当院では、加齢に賢く対処するスマートエイジングを目標としています。

老化現象は遺伝要因と環境要因の相互作用によって修飾されることが知られています。皮膚老化は加齢による一般的老化と紫外線による光老化に分けられます。

皮膚の老化と治療法
ー表皮の老化ー

  • 乾燥・萎縮 : 保湿外用剤(特にクリーム製剤、乳液、ローション)の使用により対応します。
  • シミ : フラッシュライト療法(I2PL+)によるメラニン色素を持つ細胞の破壊、ハイドロキノンなどの美白剤の皮膚塗布、Vit Cなどの内服など
  • シワ : 角質層のターンオバーが正常に進行しないときにみられる浅く、細かいシワ。十分な保湿で消失する場合がほとんどです。

ー真皮の老化ー

  • シワ : 細胞外マトリックスであるコラーゲンの減少とコラーゲン産生細胞である線維芽細胞の減少が原因。外科的に治療(除皺術)する場合もあります。

参照 :アンチエイジング医学の基礎と臨床(メジカルビュー社)